王道の勇者物語かと思いきや、本作は第8話でその予想を鮮烈に裏切ります。選ばれた勇者である双子の弟が、呆気ない事故で命を落とす。残された兄が取った選択は、弟の死体から「勇者の紋章が刻まれた皮膚」を剥ぎ取り、己の胸に移植することでした。
「精神が類似し、身体が同一」という双子の設定を最大限に活かした、狂気すら感じるこの継承劇が、物語に唯一無二の深みを与えています。神にすら見放された暗黒の時代を、偽りの証を掲げて歩むベルムの旅路には、どのようなカタルシスが待っているのか。ダークファンタジーの真髄を感じさせる一作です。