投資ブームや新NISA等の現代的な経済トピックを題材にした、ブラックユーモア溢れる超短編である。人々を襲い資産を強制的に普通預金へ移す「ゾンビ貯金箱」という設定が極めて独創的だ。経済崩壊の絶望を軽快な筆致で描きつつ、救世主が現れた後も結局は「貯め込むだけ」の袋小路に陥るという結末は、思考停止した貯蓄信仰への痛烈な皮肉として機能している。ブラックユーモア愛好家、投資経験者、風刺の効いた物語を短時間で楽しみたい読者におすすめできる。