冒頭の「金貨を投げて表なら人助け、裏なら世界を破壊する」というセリフだけで、主人公の常識外れな人物像が一瞬で伝わってくる。
記憶も感情も失った主人公カイの超然とした冷静さと、神界に戻れなくて慌てふためく元女神チョコの賑やかさが絶妙なコントラストだ。「そんなに薄情じゃなかったのに」というチョコのセリフが、カイの死前後の変化をさりげなく示していて上手い。
特に感心したのは花言葉を魔法名に使うというシステムだ。「オオバコ」に「逆境に負けずに成長する」という意味があると説明するシーン——これが今の二人の状況そのものに重なっていて、読み終えた後にじんと来た。設定の遊び心と物語の深みが第1話だけで両立している。続きが気になって仕方ない。