栄華を誇ったものの、反乱を起こされ追い詰められた女帝が、過去に遡ってやり直す物語。
女帝・龍華サマは、「今度こそ反乱を起こされる前に、未来の首謀者を見つけ出して殺してやる!」という清々しいくらいの目的をもって動き出します。
ですが、未来の反乱首謀者を気に入ってしまい、過去とは違う道筋を辿ることになるので、どう変わっていくのか? が見どころのひとつ。
ヒロイン(もはやヒーロー)の龍華サマは、苛烈に鮮やかに生きており、考え方や行動には嫌なねちっこさは全くなく、ズパズパ突き進んでくれるのでもはやヒロインに惚れます。
彼女のつよつよメンタルと、根底にあるしっかりした倫理観のおかげで、まったくストレスなく最後まで痛快に読めました。
他にも魅力的なキャラクターがたくさん!
通天万照鏡という、個性的なマスコットキャラ?もいます。ただの鏡ではなく、小うるさく喋るわ不思議の術でサポートするわで龍華サマの良き悪友なんです。推し。
また、私はとあるキャラクターに惚れ込んでしまったのですが、ここで深くは語れないのが悔しいところ。本当に最高のキャラがいるのでとにかく読んでみてください。きっと登場した瞬間、好きになると思います。
読後感もじんわり沁みつつ爽やかなので、前向きな作品を読みたい方にオススメです!
特に、私のように日常に疲れきって鬱展開に耐えられない大人にも安心してオススメできる快進撃!
高慢な悪逆女帝が過去へ戻り、心を改め善良な人間として人生をやり直す――のかと思いきや!
……何を書いてもネタバレになってしまいそうで、もどかしい。
ただ一つ言えるのは、主人公の夏龍華様が本当に素敵なのです。
一見すれば悪逆非道、もはや気持ちが良いほど天上天下唯我独尊な龍華様。
なのに、物語が進むほど彼女の「プライド」の正体が見えてきて、どんどん好きになってしまうのです。
そして文章も素晴らしい。
一人称でありながら豪華絢爛な地の文からは、龍華様自身の教養と知性まで伝わってきます。
それでいて決して堅苦しくなく、掛け合いは軽妙で、するすると読めてしまう。
そして読み進めた先で、「あれはそういう意味だったのか」と、それまで見ていたものが何度も違う姿を見せ始める。
構成に、物語に、文章に、そして何よりキャラクターに。
最後まで何度もうならされました。
ああ……もう、本当に素敵な物語でした!
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物語は東華という唐風の国の女帝に上り詰めた夏龍華が六十を迎えようとした時に、元の宗室の後裔である桑清虎に追い詰められるところから始まります。
彼女は「通天万照鏡」の力を使い、十八歳当時の女官時代に回帰します。
再び通天万照鏡と出会い、二度目の人生のため、順調に貴妃にまで上り詰め、二度目は一度目ではしなかった選択もしていきます。
龍華の一人称で書かれるこの小説では、特に別の人物の視点が入ることなく、全てが龍華視点であり、女帝に上り詰めた人らしく、唯我独尊。この小気味の良いくらいな心情描写がさばけていてとても良いです。自身を慕う者には優しいところも、彼女がただ尊大な人物ではないことを証明しており、魅力に溢れています。
果たして龍華は再び玉座に登るのか、不思議な力を持つ通天万照鏡とは一体何か。
非常に読みやすく、展開も目が離せません。