第3話 みおの夢でどきどきミュージカル化計画

次の体育の授業に向けて、兄のクラスは皆ジャージに着替えていた。

するとそこに妹がポニーテールを揺らして現れる。


みお「ねえねえ、お兄ちゃん!聞いて聞いて!」

兄「おい何入ってきたんだ。恥ずかしねえのかパンツの奴も居るぞ。出てけよ。」


みおは辺りを見回すと、自分より少し年上の男の子達が服を脱いでいた。

みおは顔を赤らめる。


みお「やだ!それようも、また夢の中で神さまから"そなたにミュージカルの才能を与えよう"って言ってくれたの!」

兄「ミュージカル?急に歌ったり踊ったりするやつ?」

みお「さっきの音楽の授業で歌いながら寝てたら夢で言われたの。今回めちゃ楽しそうな力じゃない!?これは試すしか無いね!」

兄「いや歌いながら寝るって何だよ!それに、俺、歌やダンスなんて無理だぞ。」


パチンッ。

みおが指を鳴らすと、何処からか音楽が流れ出す。クラスメイトの男の子達が踊り出す。


兄「おいお前ら!妹の前でそんな格好で踊るな!」


みおがいない。

見渡すと、半裸の男の子の達に混ざってウキウキに踊るみおがいた。

兄の身体が勝手に動き出す。


兄「な!?やめろ!」


兄は必死で謎の力に抵抗し教室を抜け出した。

パンツ一丁のまま廊下に出るも、音楽が後ろから近づいてくる。

恐怖のあまり走り出す。

するとガラガラっと更衣室の扉が開いた。

着替え途中のクラスメイトの女の子たちが飛び出した。


生徒「楽しい音楽聞こえてきたと思ったら、ステップ踏んじゃうよ〜!」

生徒「歌うのって、こんなに楽しいんだ〜!」


兄の腕に、シャツのボタンが外れた女の子が絡む。


兄「お、おい!そんな格好で近づくな!」

生徒「一緒に踊ろう!」


兄と女の子2人踊り出す。

みおは「いいねいいね!」と混ざり出す。

兄の踊りはぎこちなく、堅い動きをしておりキレがない。


生徒「下手ね。」


その女の子がそういうと、別の男の子の腕に移った。


兄「俺告ってないのに、なんだ、振られたのか?………なんだろこの喪失感。」


すると音楽ががらりと趣向を変えてきた。ピアノのバラードだ。まわりのクラスメイト達は、静かな、しなやかなダンスをする。


兄「いいよムード作りしなくて!」


兄の口が動かなくなる。

意図しないラブソングを歌い出した。

しかし兄は音痴である。クラスメイト達は拍子抜けしたような顔をし、兄を離れていった。

みおとパンツ一丁の兄2人だけが廊下に残った。


みお「ねえねえ、お兄ちゃん!次体育なんでしょ!行こう。」

兄「まてまて俺パンツしか履いてない!」


みおに手を引っ張られ外へ連れ出される兄。

教室の前を通るたびに、窓から生徒たちが顔を出して2人に歓喜の声をあげる。


ニュース速報:「世界各地で突然のフラッシュモブが流行。突然ミュージカルが始まる謎現象に、今日は迫ります。

・総選挙。立候補者達がミュージカルで演説。「国民ウケ間違いなしだ!」と大人達が熾烈な歌合戦を展開。投票に向かう国民が増加。

・ 国際会議で各国首脳が感情で歌い踊り『平和を歌おう〜♪』とハモり、曲者大統領達が一致団結。各国の戦争や紛争が終了へと向かっております。」


外に出ると体育教師が待っていた。

クラスメイト達はジャージに早着替えし整列して待っていた。


先生「今日はダンスの授業だ!」


するとジャージ姿のクラスメイトがポップな音楽に合わせて歌い、踊り出す。

みおは楽しい楽しいとクラスメイトに紛れて踊る。いまだにパンツ一丁の兄も巻き込まれる。


みお「お兄ちゃん!一緒に踊ろう!」

兄「いいよ好きにしろ!俺の人生めちゃくちゃだ!」


泣きながらみおのリードに身体を委ねる兄。

みおは軽快にくるくるまわり、制服のスカートをふわりと揺らす。兄はぎこちない動きで、みおのダンスに応える。

ポニーテールが兄の顔に当たって、みおの笑顔が近くで輝く。

クラスメイト達は2人を囲み、コーラスで場を盛り上げる。


兄「……みお、上手いな。ほんと主役すぎだろ。」

みお「えへへ、みおはみんなのヒロインだもん!でもお兄ちゃんのダンス、一番可愛いよ〜♪1番のライバルさ〜♪」


真実はみおのみぞ知る。

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