元副団長という過去を背負いながら“何でも屋”として生きるライラの姿が、静かな痛みとともに丁寧に描かれている点が印象的でした。
精霊魔術による無詠唱・複数発動という圧倒的な強さと、それでも前に出ることをためらう葛藤の対比が、人物像に深みを与えています。
「ありがとう」という言葉が救いであると同時に呪いにもなる構造が、物語全体に一貫したテーマ性をもたらしています。
迷宮での一瞬の判断の遅れが悲劇を招く展開は緊張感が高く、読者にも選択の重みを突きつけます。
強さとは何か、守るとは何かを問い続ける主人公の姿に、物語の芯の確かさを感じました。