シンプルに完成度が高い小説なのではないかと私は思った。だって、面白いんだもん。
21世紀初頭の東京を舞台に、人間を脅かす世界の『バグ』達と戦う少女達の姿と運命を描いた本作はある意味、『魔法少女』なのではないかと思う。愛する友人や日常を守る為に家電型のガジェットを駆使して戦う主人公カナちゃんの姿はとてもカッコいい。だが、戦えば戦うほど日常は遠のいて行くのが何とも度し難いものだ。親友のリナちゃんも、渋谷でのプリクラ巡礼も、みんなみんな遠のいて行く。それでも、守る為には戦わなければならないというジレンマがまさにヒーローであり電子の魔法少女と言えよう。
21世紀初頭の懐かしい雰囲気漂う世界観に、機械的で残酷な雰囲気が魅力の一作。これから書籍化することを心から願いたい。