なんて、なんて甘酸っぱい作品なんでしょう(以上)
……と言うわけにもいかず、続きを書いていきます。
ノスタルジーを感じさせるような「約束」という言葉の配置が上手でした(もうこれが甘いのよ)
幼い頃に交わされた「明日も遊ぼうな」「夏になったら川行こうぜ」といった小さな約束の数々。
それらが物語の回想として浮かび上がり、「じゃあ、約束だよ」という一言に繋がった瞬間、もうね、胸のあたりが駄目でした(笑)
同じ言葉なのに、幼馴染としての約束と、好きな人としての約束では、こんなにも感じ方が違うのだと、亜美の体温を通して実感させられました。
二人の距離感の描き方にも、思わず首がもげるほど頷いた箇所があります。
翼が「何度も手を伸ばしかけては引っ込めている」仕草に気づいた亜美が、今度は自分から手を差し出す……。
この場面の「間」が絶妙でした(そして私の首はもげかけました)
言葉ではなく、伸ばしかけた指先の動きだけで、翼の不器用な誠実さが表現されています。
私はこの非言語の数行に、この作品の関係性描写の核があると感じました。
期待と不安が混じったまま朝を迎え、「不思議と体は軽かった」と書かれた一文で私は成仏しました。
もうね、ふざけてるつもりはないのですが、こんな書評はぶん投げて、何が言いたいかというと「最高」です。
以上 享年XX歳 水越ゆき
バレンタインデー。それを巡る少女のときめき。この感じがとても初々しいです。
バレンタインデーと言えば、チョコレートを渡すことで「恋心」を伝えるイベントとなっていました。
そして亜美は勇気を出して幼馴染でもある翼にチョコレートを。
幼い頃は「友達」として自然に傍にいられた翼。でも年齢が重なるにつれて少しずつ距離ができてしまった。
チョコレートを通し、そんな距離が一挙に縮まっていく感覚。「男女の垣根」が出来たことで遠ざかっていた二人が、「男女だからこそ」で距離を詰められるようにもなっていく。
そんな青春ならではのときめきが感じられ、心の洗われる作品でした。