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路面電車で春を待つ

路面電車で春を待つ

kou

おすすめレビュー

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★★★
★24
8人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 金時まめ
    49件の
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    ★★★ Excellent!!!

    桜の蕾が色づいていく、その一瞬を見届ける物語


    春は出会いの季節、と言われます。
    けれどこの物語が描くのは、積み上げてきた居場所が足元からほどけていくような、
    心許ない思いを抱えた少女の、透明な三月の時間です。

    まだ固い桜の蕾。
    揺れ続ける路面電車の振動。

    声をかけられない距離。
    小さな勇気で送る一通のSMS。
    無機質な文字列のはずなのに、そこにはたしかな体温が宿る。

    そして ――。

    見える景色は変わらないのに、
    ああ、春とはこういうことなのだ、と
    静かに、けれどたしかに胸を打たれました。

    とにかく、うつくしい。

    読む人それぞれの胸の奥に、まだ固いままの蕾があるのなら。
    きっとこの物語が、そっと内側から色づかせてくれるはずです。

    • 2026年2月23日 14:37