小説家同士でありながら互いに劣等感を抱えている二人の視点が交互に描かれ、創作に対する渇望と焦りがリアルに伝わってきます。
完璧を目指す慧翔と、情熱を燃やし続ける真希の対比が鮮明で、それぞれの“欠け”が物語の推進力になっている点が印象的でした。
盗作騒動や母との確執など、外的な衝突が創作のテーマと直結しており、物語世界と現実が重なる構造に引き込まれます。
「守る」という言葉が単なる励ましではなく、人生ごと巻き込む覚悟として提示される終盤は、感情の熱量が一段と高まります。
才能と未熟さがぶつかり合いながら“共作”へ踏み出す展開に、青春と創作の可能性を感じる作品です。