833文字という短さで、生成AIと若者たちの思考力という重いテーマに正面から向き合っている。レビューで引用されている「AIの弱点は、無感情が故に間違いを犯さない事」という指摘と、それに応える「人間の強みは、感情があるが故に間違いを犯す事」という返しが、このエッセイの核心をよく表している。
便利さに頼ることと、自分で考えることの間にあるバランスを、説教的にならずに問いかける姿勢が好ましい。AIを使うこと自体を否定するのではなく、「考えることの面白さ」を手放さないでほしい、という願いが短い文章の奥に滲んでいる。
同著者の『トぺぺさん』に通じる、「考えること」へのまなざしが一貫している一作。