「最初に死ぬはずだったホブゴブリン」が、“死にたくない”を通り越して「物語のルールそのものに異議申し立てする」話になっているのが、とてもおもしろかったです。
護はチート勇者ではなく、三十八歳・元広告マン。だからこそ、ダンジョン設計も同盟交渉も、全部「会社員の段取り」と「生活の知恵」の延長線上にあるんですよね。ここがまず新鮮で、人間くさい。
さらに、ゴブリン・オーク・リザードマン・トロールたちが、「ただのモブ」から少しずつ“仲間”へと変わっていく過程が、力押しではなく「仕組みの再設計」だから、とても丁寧なんです。さらに、料理パートがただの息抜きじゃなくて、仲間の関係性や成長のトリガーになっているのが上手い…!
そして物語が進むほど、「勇者とは何か」「正義とは誰のものか」という問いが、じわじわと読んでる側に返ってきます。世界が「ゲームっぽい」からこそ、そこから外れていく違和感がじわじわ効いてきて、続きを追いかけたくなる作品だったりしますので、この機会に読んでみてくださいね。