本作品の魅力は、その澄み渡るような「透明感」にあります。朝露のきらめき、湿った土の匂い、そして精霊が息づく森の呼吸を、きっと皆様も五感を通して感じることができるはずです。一方で、町の人々の生活や雑踏、疑念が渦巻く教会勢力の禍々しさなど、ただの静謐さだけではすまないような今後の波乱の予兆も示されています。
主人公の薬師の少女は、どこまでも優しく、けれども芯があり、過酷な運命を背負ってきた少年の心の傷の克服を、そっと見守り支えてくれています。そんな彼女の姿には、きっと作者様のお人柄がにじみ出ているのでしょうね。
私は現在、拝読途中(2章目読了)ですが、繊細で美しいこの世界が、これからどのような展開を迎えるのか、その行く末をそっと見守っていきたいなと思っています。優しさと温かさ、そして力強さに包まれたファンタジー作品を味わいたい方に、強くおすすめしたい作品だと思いました!