第12話 彩芽とべっ甲飴
ある時、町を流している飴屋に子供たちが群がって騒いでいた。
「ねえ、べっ甲飴。きれいだね。美味しそう」
「兄ちゃん、食べてみたい」
「……また、今度な」
三人で顔を見合わせる。そしてお互いの顔を見てクスリと笑う。
今の自分たちにはこれだけで十分だ。贅沢なんて出来なかった。
「いつか、きっと」。その思いだけでよかった。
これから先の未来のこと、やりたいこと、夢や希望。
いつか叶えられるのだろうと三人でいつも夢見た。
いつしか
そして
小雨が続く季節、
かまどが生姜湯を作って
外から戻って来た猫の
表に出てみると屋敷の門の前に
雨で濡れる手にはべっ甲飴が握られていた。
「……
「べっ甲飴ではないか。お前、
「うん。でも
「そうか。すまない。
「じゃあ、また。
小雨の中、
町に向かって駆けて行く後ろ姿を
「
差し出されたべっ甲飴を見て
「明日、目が覚めたら
「これ、
次の日、べっ甲飴を見て
「
「
「いつの間にか乙女になっちまって。どうする、
「……
「……
いずれ
いつの間にか
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