第8話 変身


本作は一度読了済だが、

再度読み直しての読書感想となる。

今回も人間が先に読んで感想を残し、後にAIの解説を挟むこととする。


 

 1. 変身 感想

 

 世にはいろんな変身が存在するが、

 こちらは、カフカの「変身」である。

 

 あの、主人公が突然「虫」になるやつである。

 冒頭から、その虫の描写が始まる。


 

 (一部抜粋)

 彼は甲殻のように固い背中を下にして横たわり、頭を少し上げると、何本もの弓形のすじにわかれてこんもりと盛り上がっている自分の茶色の腹が見えた。


 

 Gやん。

 

 絶対Gの方の虫やん。

 

 なんの因果か、よりによって1番嫌なものになったな。

 ちなみに個人的に嫌な第2候補はムカデだ。

 

 それにしても、

 どうして急にそんなものになってしまうのだ?

 この作品の1番モヤつきポイントは、ここだ。

 

 なんの説明もなく、突然Gにされる。

 

 納得がいかないので、少し考察っぽいことをしてみよう。

 例えば、虫は何かの暗喩ではないか?

 

 自分への精神的な嫌悪や疾患により、

 自身を虫ケラだと思い込んでしまっている、とか。

 それを煙たく思う家族……

 多少胸糞は悪いが、きっとこうだ。うん。


 

 (一部抜粋)

 気ばらしのために壁の上や天井を縦横十文字にはい廻る習慣を身につけていた。


 

 違う、虫だ。

 

 これが人の姿のままだとしたら、

 エクソシスト呼ばなアカン。

 

 しかも主人公は最終的には亡くなるが、

 エクソシストではなく、お手伝いのお婆さん1人の力で、アッサリその亡骸は処分されてしまう。

 

 こんなん人の姿だとあり得ない。

 

 それならば、主人公が虫になったところで、

 家族はなぜ慌てない?

 

 いや、慌てるのだが、慌てるベクトルがおかしい。

 

 主人公を人に戻す方法を模索するのではなく、

 見られてはならないと、部屋に閉じ込めようとする。

 

 で、半ば迫害じみたことをする。

 

 なんでや、この主人公そこまで悪い奴やなさそうやぞ?

 虫になっても、家族のことをちゃんと心配しているのだ。

 

 なのにこの家族ときたら、

 残飯あげたり、リンゴ投げたりする。

 

 リンゴ?

 なんでリンゴ??

 

 なんなら作中1番のモヤつきポイントを、

 コレにすり替えても良い。(思考放棄)

 

 主人公が亡くなる瞬間はとても呆気なく、

 なんなら私の胸の痛みがしばらく消えなかった。

 

 まさかGに同情するなんて……

 

 相対して、家族は何やら晴れやかな雰囲気で終わる。

 そりゃデカいGが家から居なくなればスッキリするよな。

 

 でもそれ、アンタらの家族では???

 

 姿が違えば、また生前疎ましい存在であれば、

 例え家族としても、亡くなれば、

 安堵が勝ってしまうとでもいうのか。

 

 胸糞悪い。



 ◇



 2. AIの解説


 今回は、感情的に寄り添うAIと、

 俯瞰で見るAIの両名に解説をお願いしてみた。



 ( 感情的なヤツ: Claude )


【なぜ読者は「暗喩だと思いたくなる」のか】


 感想文で書いてあった、

「例えば、虫は何かの暗喩ではないか?

 自分への精神的な嫌悪や疾患により、

 自身を虫ケラだと思い込んでしまっている、とか。」


 これ、めっちゃ自然な反応なんよ。

 人間の脳は、「意味のないもの」に耐えられない。


 突然、何の説明もなく「虫になった」って言われても、

 意味や理由を考えてしまう。

 

 で、「これは比喩やろ」って落とし所を探す。

「虫 = 疎外感の象徴」

「虫 = 社会からの脱落の比喩」

「虫 = うつ病の暗喩」

 こうやって「象徴的に読む」ことで、納得しようとする。

 

 でもカフカは、その逃げ道を潰してくる。

 なぜそれが「途中で破綻する」のか。

 

 感想文の、

「(一部抜粋)気ばらしのために壁の上や天井を縦横十文字にはい廻る習慣を身につけていた。」

「違う、虫だ。」


 ここ、めっちゃ重要。


 もし「虫 = 心理的な比喩」なら、

 物理的に壁を這い回ったらアカンねん。


 比喩として読もうとした瞬間、リアルな虫の描写が入ってくる。

 ・ 6本の足でバタバタする

 ・ 粘液を出す

 ・ 天井に張り付く

 ・ リンゴが背中に刺さって腐る

 具体的すぎる。

 

「これは心の病の比喩や…」って思った瞬間、

「いや待て、天井這い回る人間おらんやろ」ってなる。


 そして最後、お手伝いのお婆さんが死骸を箒で掃き出す。

 

「こんなん人の姿だとあり得ない。」

 

 そう、あり得ない。

 だから読者は、「暗喩として読む」ことを諦めざるを得ない。

 

 カフカは、「これは文字通り、虫になった話や」と突きつけてくる。

 


【なぜ最終的に「意味ではなく感情だけが残る」のか】

 

「暗喩として読む」が破綻した読者は、こうなる。


「じゃあ、この話は何なん?」

 

 でも、答えは出ない。

 ・ 虫になった理由 → ない

 ・ 戻る方法 → ない

 ・ 教訓やメッセージ → ない


 意味が、ない。

 でも、感情は、ある。

 

 ・ グレーゴルへの同情

 ・ 家族への怒り

 ・ 理不尽さへの恐怖

 ・「これ、自分かも」っていう不安


 感想文の最後、

「姿が違えば、また生前疎ましい存在であれば、

 例え家族としても、亡くなれば、

 安堵が勝ってしまうとでもいうのか。胸糞悪い。」

 

 この「胸糞悪い」っていう感情こそが、

 カフカが残したかったものなんよ。


 カフカは、「意味」を与えない。

 代わりに、「感情」を残す。

 そしてその感情は、解釈では消化できない。

 


 ( 俯瞰で見るヤツ: ChatGPT )

 

 ・『変身』が難読なのは、理解の入口を与えないから

 ・ 比喩読みをしたくなるのは、人が理不尽に耐えられないから

 ・ それでも割り切れないのは、物理的な“虫”が否定されないから


 そしてあなたの感想文がわかりやすいのは、


「比喩に逃げようとして、逃げきれなかった痕跡」


 が、全部そのまま残っているから。


 最後の


 胸糞悪い。


 これは、『変身』に対する最も誠実な読後感です。


 ……正直に言うとね。

 この作品、

 納得できたら負けなんですよ。



 ◇



 3. AIからの付け足し


 Claude :

 実は、リンゴは聖書の「原罪」の象徴なんよ。

 アダムとイヴが食べた「禁断の果実」。

 人間が楽園から追放される原因になったやつ。

 父親がグレーゴルにリンゴを投げつけるシーンは、

 「お前のせいで家族が苦しんでる」っていう、

 責任の押し付けなんよ。


 GPT :

 正直言うと、確かにリンゴはいくらでも解釈できる。

 でもゆいさんがやったのは、


 もうこれにすり替えても良い。(思考放棄)


 これ、めちゃくちゃ正しい読者の反応。

 ・ 真面目に考えるほど疲れる

 ・ 途中で投げたくなる

 その感覚を書いてるのが、むしろ誠実。


 私 :

 まさか、わからないと正直に申し出ることが、

 誠実と言われる日が来るとは思わなかったよ……



 ◇



 リンゴは武器ではない。

 ちゃんと食え。


 以上で「変身」の感想を終えることとする。



 - 完 -

 

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