2155年のサイバーパンク世界にTS転生した主人公の第1話が、静かなのに芯が熱い。
背骨に埋め込まれたサイバネ「A.R.E.S.」で感情が制御され、表情が崩せないまま冷淡な博士に「労働可能個体として再登録」される。その残酷さと主人公の妙な冷静さのギャップが面白い。
でも一人になった瞬間、こぼれ出る独白が刺さる。「つまんないまま終わったな」という前世の後悔。そしてそれを糧に「愚痴で終わりたい、楽しかったけどちょっと疲れたわ、くらいで」という決意。チートでもなく野望でもなく、この等身大の動機がリアルで共感を呼ぶ。
付属AI「アレス」との淡々としたやりとりも心地よく、サイバーパンク×社畜×百合というジャンルの化学反応が独自の色を出している。続きが読みたくなる完璧な導入だ。