全体を波にさらわれた砂のようにした構成は海の向こうの〝ナニモノカ〟の声を聞くようでぞわぞわとします。喪失と再誕の波間から〝D〟は世界へ出づるのか……想像力で補完する楽しみを刺激されて読後も、ほう、と溜息が漏れる余韻がありました。