まだ、始まったばかりでおススメレビューを書けるほどの話数ではありませんが、
小説という形式でこの話を表現しているのが珍しかったので、
紹介させていただきます。
この作品は、いわゆる「競馬もの」「ギャンブルもの」ではあるのですが、
よくある成功譚や爽快な逆転劇とは、かなり毛色が違います。
序盤から描かれるのは、
競馬そのものよりも、そこにのめり込んでいく一人の人間の思考や生活、
そして「なぜその選択をしてしまったのか」という理屈と感情です。
特別な才能や派手な展開があるわけではなく、
むしろ驚くほど地に足のついた描写が続きます。
そのせいか、読んでいて
「笑っていいのか分からない」
「他人事なのに、妙にリアル」
と感じさせられる場面が多いのが印象的でした。
競馬の知識がなくても読めますし、
むしろギャンブルをやらない人ほど、
主人公の考え方や追い込まれ方に引っかかるかもしれません。
まだ物語は動き始めたばかりですが、
この先、軽い話で終わらないことだけははっきり伝わってきます。
人がどこで踏み外し、どこで自分を正当化し、
それでも前に進もうとするのか――
その過程を丁寧に追いたい人には、
今のうちからチェックしておく価値がある作品だと思います。