男女の逆転と「西と東」に分かれた日本という設定がすでに抜きん出ている物語。
そんな日常とはかけ離れた中でも、話される対話はとても日常的で、すぐに登場人物を身近な存在に感じました。
西と東に分かれる様子は、個人的には過去のドイツを思い起こし、実際に起こり得る世界という視点でも読むことができました。
俺たち女子は支える側ーー
この言葉が象徴するように、世界(登場人物)はある種の混沌を抱えながらも、安定した場所を求めて進んでいく。
なにより登場人物の心の動きを細かく拾い上げていく描写が、そんな不思議な世界さえも身近なものに感じさせるのでしょう。
この先どうなるんだろう……という物語の強みである関心が常にあるため、どんどん次を読みたくなりました。
この先も目が離せない異色の秀作です。