このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(293文字)
この物語は“障害の物語”ではなく、“段取りと習慣の物語”になっています。真帆は「言えない」代わりに、生活設計で感情を動かす。これは単なるキャラ設定ではなく、物語構造そのものに組み込まれている。言葉が少ないからこそ、視線、指先、石に触れる癖、間合い――非言語表現がドラマを作っています。非常に映像的で、強い作品だと思いました。
声帯手術後、長くは声で話せない女性と婚約者男性の家にある夜、彼が帰宅する前に彼の弟が「同居許可もらった。」と彼の弟がやって来ました。彼女と彼の弟の同居が始まって少しずつ状況は変わります。彼女の制約とメディアの特性と使い分けが絶妙過ぎます。脇役も小道具もすごく効果的です。一風変わった設定に慣れてしまえば引き込まれます。電子メディアは荒れた中傷で無く愛と真心を伝えるものだと言う作者の底意が感じられました。