四名もの不良に絡まれ、我が子を守りながら無事撃退した男性。
勇気ある父親を称賛する人々の声。彼はまさしくスーパーヒーローだ。
あなたはその声に乗るだろうか? たとえ良心ある彼が過失とはいえ、不良を殺していたとしても⋯⋯
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空気の重さがのしかかる一作。
空気――ある行為が「正当である」かよりも、「雰囲気的に適切であるか」を優先してしまう状況のことだ。
男性は罪を犯した。だが、それは大衆にとっての正義であり、咎めることは大衆から「空気読め」と非難されることは必至だ。そしてその範囲には男性本人すらも含まれる。
数多に集まった視線は、文字通りナイフになり得るのだ。