現代の学園を舞台にしながら、異能バトルと伝承的な要素が重なり合う世界観がとても魅力的でした。不死にまつわる設定や主人公の能力が物語にしっかり絡んでいて、先の展開を想像するのが楽しくなります。日常から非日常へと変わっていく流れの中で、主人公がどんな決断をしていくのか。その過程と成長にも期待が高まります。
物体を転移させる能力に目覚めた少年・夜翔が、一族の使命と「不死の薬」を巡る抗争に投じられる現代ファンタジーだ。月の伝説を背景とした重厚な設定が魅力で、解析に長けた稀葉や謎の転校生・詩花との交流、幻術を駆使する「現代陰陽師」との頭脳的な戦闘が描かれる。曾祖母との思い出を糧に、自らの意志で過酷な運命を「この世界」ごと選び取る少年の成長と決意が胸を打つ構成となっている。現代ファンタジーや異能バトル、伝奇的な謎解きを好む読者におすすめできる。