深い。最近のカクヨムは現代小説ジャンルに一つの波がきているのでしょうか?
社会問題を取り扱った作品をちょくちょく見るようになりました。
この作品も、そんな目が離せない作品の一つ。
第5話まで読んでのレビューコメントです。
住職であるおじいちゃん僧侶が、自分の孫。娘、そして奥さんを通じて、家族の愛を描く物語。
主人公は還暦越えの和尚さんです。
物腰はとても丁寧。
年齢を重ね、それなりの経験を積み。人としての深さを感じます。そんな和尚さんでも、自分の娘を本当の意味で理解できない。
物語は和尚さんが縁を結ぶ若者達と如実に繋がっていって――。
面白い。
素直に思います。電撃小説大賞、特にメディアワークス賞を狙った作品ということですが。考えてマーケティングされている気がして。テンプレではないことも傾向としては重要ですよね。
特にメディアワークスは30代~40代の女性がターゲットといわれています。最近の「オジさん」「ミドル」な主人公勢が書かれる風潮を思うと、この包容力高い和尚さんのキャラメイクは本当に素晴らしい。
そこに王道の恋愛という要素は排除して。でも、おじいちゃん和尚の視点から、若者達の胸に秘めた想いが描かれる予感に、期待が膨らみます。
一方で「親」と言われる人達、「大人」と言われる人達はどこか「オトナ」になりきれていなくて。格好良い大人ってどういうことなんだろうって、感じさせる。
完結まで書かれているから、作者様の作品は毎回、安心して読める(本当に書き手としてみならいたい)
恋愛なし、リアルでシニカルな社会で、お爺ちゃん僧侶が見たその景色は?
お爺ちゃん僧侶という視点で見る青春と。そして家族の温度を感じる、そんな予感が――。
願わくば、その見る景色が澄んだ青空であらんことを。