妖怪の姿が視える女子高生・朝霧志保と、幼馴染みでクラスメイト、さらには白烏の妖怪である木上木葉はバカップルとして周囲に公認されている関係だ。そんなふたりに迫るバレンタイン! しかし最近、女子がバレンタインのため用意していたチョコレートが次々粉砕されるという事件が勃発して。妖怪の仕業かと調査に乗り出す木葉だったが……
志保さんと木葉くんの関係がかわいい! 志保さんは基本冷めた感じの子で、彼女が自分にくれるチョコを守ると意気込む木葉くん、その温度差ってやつが成すラブコメパンチをガツンと食らってしまうわけですね。
ふたりの態度の落差が大きいからこそ見せつけられるのですよ。実はすごくなかよしですよね? 志保さんもほんとは……ですよね?
セリフという形じゃなく、文章の芯から立ち上る彼女の心情と真情こそが、読んでいる側の胸までときめきで絞り上げるのです。著者さんの筆が巧くて憎いんですよねぇ。
オチでしっかりすべてが回収されるたまらなさ、ぜひともあなたも食らってください!
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=髙橋剛)
読後、なんとも爽快で気持ちのいい後味が残ります。
「バレンタイン」という特別な日を舞台に、志保と木葉の二人が織りなす空気感がとにかく素晴らしくて、そこに割ってはいる日本製神様も笑えます。(ここはネタバレになるので、本文をお読みください)
さて、このふたり。
妖怪の姿が見える志保と、妖怪であることを隠し学校に通う木葉というカップルなんですが。
その正体をみな知らずに、バカップルと呼ばれています。それは、ふたりの醸し出す雰囲気で、きっとクラスメイトたちも彼らの可愛さをわかっている。
作品のテーマでしょうか。
相手を大切にしたいという真摯な想いが丁寧に描かれているため、読了後の満足感が半端ない。
派手な展開ではなく、日常の延長線上にある物語だからこそ輝く作品です。