火事が発生し、地下のワインセラーに閉じ込められた主人の由上とメイドの火澄。隙間から煙が流れ込んできて絶体絶命。
なんとしても通気口のグリルを外して煙を排出しなければ、もはや助からない。しかしその位置は高さ四メートルの天井。到底届く高さではない――。
出来立てほやほやでほとんど何も物がないワインセラーにおいて、どうすれば助かるか。その一点に焦点を当てたハウダニット短編です。
解決編でそれが明らかになったときは、思わずポンと膝を打ちました。「なるほどね」と驚きとともに納得感も強いトリックになっていたと思います。
密室としての一面以外にも様々な形で工夫が凝らされていて、読者を楽しませようという気概をそこかしこに感じました。素敵なサービス精神だと思います。