ハウダニット。それはミステリーにおいて「どのようにして犯行が行われたか」という「方法」に主眼を置いたもの。
本作で解き明かすべき方法とは、金属ノコギリ、ワイン瓶、ご主人様とメイドしか存在しない地下空間で、どうやって高さ四メートルほどの高さまで届かせるか、というもの。
屋敷が火事になり地下室に閉じ込められ、煙が部屋に入ってくる状況。天井に付いている通気口を開放しなければ、一酸化炭素中毒で死んでしまうのです。
結論として、四メートルの高さに届いて生存します。
さて、どうやってそれを成し遂げたのでしょうか?
あっと驚く方法と結末が待っているので、ぜひ推理しながら読んでほしい作品です!!
ある屋敷のワインセラー。
そこにメイドの火澄虎子とその主人の由上がいる。
屋敷では火事が起きていて、そのワインセラーの外は火が燃え広がっている。つまりそこは密室の状態になっていた。
また、天井の通気口にはグリルが付いている。煙を外へ排出する量よりも、中に入ってくる煙の方が少し多い。このままじゃ二人とも一酸化炭素中毒で死んでしまう。
二人はグリルをなんとかして落とそうと考える……。
これはそういうミステリー作品です。
とにかくいろいろな技巧が凝らされていて、細部まで注意を払って書いたんだなということがよく伝わってきました。
さりげないところに伏線が張られてあり、しっかりと後に回収されます。
グリルを落とす方法を考えながら、二人が試行錯誤する様子を見るのが楽しかったです。是非ご一読を。
火事が発生し、地下のワインセラーに閉じ込められた主人の由上とメイドの火澄。隙間から煙が流れ込んできて絶体絶命。
なんとしても通気口のグリルを外して煙を排出しなければ、もはや助からない。しかしその位置は高さ四メートルの天井。到底届く高さではない――。
出来立てほやほやでほとんど何も物がないワインセラーにおいて、どうすれば助かるか。その一点に焦点を当てたハウダニット短編です。
解決編でそれが明らかになったときは、思わずポンと膝を打ちました。「なるほどね」と驚きとともに納得感も強いトリックになっていたと思います。
密室としての一面以外にも様々な形で工夫が凝らされていて、読者を楽しませようという気概をそこかしこに感じました。素敵なサービス精神だと思います。