一日先へ進むための代価は、一年分の「懲役」。
ただ明日を迎えたいだけだった少年は、罪を重ねるほど未来へ進み、その代わりに、肉体とは釣り合わないほどの歳月を精神へ刻み込まれていきます。
けれど、本当に恐ろしいのは、この異様なルールだけではありません。
「罪」とは何か。
「罰」とは何か。
そして、怒りも憎しみも取り除かれた“善良な幸福”は、救いになるのか。
奇抜な設定に惹かれて読み始めたはずが、気づけばこちらの倫理観までもが揺さぶられている。
明日を求め続けた少年が、何を失い、何を選び取るのか。
ただのループものでは終わらない、鋭く歪んだ反逆の物語。
この物語に囚われるのは、もしかしたら少年ではなく、最後までその行く末を見届けた読者の方かもしれません。
――突き付けられた問いに、あなたはどう応えますか?