かつては世界を震わせた「魔王」が、魔力のない地では火打ち石一つ使えない「お世話される少女」に。
イェーシャを襲うのは、物理的な危機以上に、「自分一人では満足に眠ることすらできない」という身を切るような無力感です。泥に汚れ、ぶかぶかの外套に包まり、宿敵だったはずの勇者の肩に「米俵」として担がれる。その屈辱に涙しながらも、彼の背中の温もりに安堵してしまう……。
イェーシャにとって、彼は「自分をどん底に落とした宿敵」であると同時に、「この絶望的な世界で唯一、呼吸を許してくれる止まり木」になってしまっています。
「殺してやりたい」という憎しみと、「この手を離されたら死んでしまう」という依存。その矛盾した感情の間で揺れるイェーシャの細い肩と、それを黙って支える勇者の節くれ立った大きな手。
この二人の「埋められない力の差」が、いつか「守り、守られる」という新しい絆に変わっていく予感に、どうしようもなく心が震えます!
イェーシャが魔力を取り戻した時、それでも勇者の「膝枕」や「木苺の酸っぱさ」を求めてしまうのか……その未来を想像するだけで、続きを読まずにはいられません。
楽しみにしています( * ॑꒳ ॑*)