女性と赤ん坊
寝室の中、一つの寝台の上に美しいネグリジェ姿の寝服の女性が、紅茶を飲みながら本を読んでいる。その横にはベビーベッドのようなものがあって、赤ん坊が寝息を立てている。だがしかしガラス窓の外は豪雨が降っていて、正反対な状況だ。
そうしていると突然一段と大きな雷鳴が轟き、地響きがした。本を捲ろうとした女性の指が震え、続けざまに寝ていた赤ん坊がホギャー、ホギャーと高く泣き出す。さらに雷が鳴り響き、赤ん坊がさらに泣きわめく。
それを聞いて女性は口元を緩めるながら、本を閉じ、紅茶のカップを台に置く。そしてベビーベッドに近づき、赤ん坊を上から眺めて安心させるように何事かを呟いている。それから布のおしめに手を付け、赤ん坊から脱がせる。
そのおしめからはツンとくるような臭いがして、濡れている。それでも女性は気にせずにおしめを台に置き、水で絞った布で赤ん坊の下半身を拭いていく。拭き終わったら棚から新たなおしめを取り出し、赤ん坊にはめる。
一通り済んだら女性はなお泣き続ける赤ん坊を抱き上げ、軽くゆすりながらあやそうとするが、泣き止む気配はない。それに女性は眉根を寄せ、いったん赤ん坊をベビーベッドに置き、女性は自分のネグリジェの上半身の片側だけをはだけさせ、素肌があらわになる。
そして女性は赤ん坊を再度抱き上げ、自らの乳房を赤ん坊に加えさせ授乳をする。泣き止んだ赤ん坊はひとしきり母乳を飲み、うとうととまばたきをする。その状態を見て女性は赤ん坊をベビーベッドに戻し、微笑みながら赤ん坊の額に口付けをする。
そうしたらやがて赤ん坊は眠りにつき始め、瞼を閉じる。その光景に安堵した女性は一言二言赤ん坊に囁き、そして自分のベッドに戻ろうしたところ、ふと窓を見る。外の景色はすで雨は止み、雲の隙間から月が顔覗かせその光が部屋を照らしていた。
その光景に女性は笑みがこぼれるが、最後のやり残したことを思い出しようで、古いおしめと拭いた布を持って部屋を出る。部屋を出ると広い通路に出るが、女性の足は止まらず前へ進む。するとメイド服姿の二人組に出くわし、足が止まる。
メイドらは驚いた表情で急ぎ近づき、何事かを言いい、女性はその言葉に顎に手を当てて少しの間逡巡する。やがて決心がついたようにおしめと布を二人組みに手渡した。それにメイドの一人は胸を撫で下ろした表情をしてそれを受け取るとどこかへ行ってしまった。そして女性は残ったメイドに軽く挨拶をしてからまた歩き出した。
しばらく歩く中、共同の手洗い場が見えてきて女性はそこに向かう。そして手を洗い、最後に横に長い鏡の前で両手で口角を上げて何かを確認する。それが終わると足を次は戻りの方向に向けて歩き出す。やがて元の寝室に戻り、赤ん坊の様子を確認すると、寝台に腰掛け、また紅茶のカップを手に持ちながら本を読み始めるのだった。
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