小説として面白いのはもちろん、地域密着型の作品ならではの魅力もたっぷり。北海道の生活事情や実在する地名が随所に登場するので、北海道に馴染みのある方はより楽しめると思います。かつて吹奏楽部だった私には共感できる部分も多く、首がもげそうなくらい頷きながら読ませてもらいました。北海道に興味がある方はもちろん、吹奏楽経験者にもぜひおすすめしたい作品です。
転生もチートもない。ただ、北海道の果てしなく広い田んぼ道を原付で14km走るだけの日常。そんな生活を送る主人公の楓くんの視点で物語が始まりますが、中盤からさっちゃんやハルちゃんの視点が追加されると、本当に切なくて、時に泣けます。楓くんの彼女たちの思いに気づかない鈍感なところも、二人の気持ちを知っている読者としてはもどかしいですが、だからこそ、二人を応援したくなる気持ちが強くなりました。カクヨムで読んで本当によかったと思える作品でした。おすすめです。