人の心とは、不思議なものです。
ほんの一瞬の間にも、数え切れないほどの想いが巡っています。
その想いは、きちんと向き合わなければ、一瞬で過ぎ去ってしまう儚いもの。
この作品は、その一つひとつの感情を、驚くほど丁寧に、そして豊かに描き出してくださいます。
自分が一度でも味わったことのある感情なら、どれほど昔の記憶であっても、鮮やかに呼び覚まされることでしょう。
大切にしまっていたセピア色の思い出が、再び色を帯びて蘇る――そんな感覚を味わいました。
切羽詰まった切なさ、忍耐、喜び、そして誰かと全力で向き合うことの尊さ。
年齢を重ねた今だからこそ、より深く心に響く物語です。
あなたも、この作品で心のタイムカプセルを開けてみませんか。
青春群像劇というジャンルがあります。我々の世代では「セントエルモスファイアー」やその日本版「愛という名のもとに」とか。
私も試みたことがありますが、難しいです。群像劇で大切なのは、キャラクター分けと思います。これをしくじると読者に見分けがつかなくなる。
本作はまずこれに成功しています。登場人物が生き生き。特に女の子が可愛い🩷
そして作者様は、これが実話を元にしていて、最後はハッピーエンドだと断言している。これはすごい自信です。さほど大事件は起こらず、悲劇好きなら去られてしまうかも知れない。
私もまだ途中までしか読めていませんが、先の展開に期待がいっぱいです。少し長めですが、読み応えもたっぷりです。
さあ、年寄りはいにしえの幻を、若人はときめきの明日を、思い起こしながら物語の大河に身をゆだねてはいかがでしょう。