ブラック企業で身も心も疲弊した会社員・遠藤悟。そんな彼を地獄から救い出したのは、退職代行屋『ミッドナイト・エグジット』を営む青木裕里子だった。どんなブラック企業からでも、手段を選ばす必ず依頼人を救い出す。ただし報酬は超高額。多額の借金を背負った遠藤は、返済のため青木のもとで働くことに……。
暴力や威圧で社員を縛りつけるブラック企業を、さらに強烈な手段で叩きのめして依頼人を救い出すストーリーが痛快でした。
IT業、飲食業、デザイン業、アイドル業……さまざまな業界で横行するブラック企業。パワハラ経営者には労働基準法も世間の常識も通じない。そもそも話が通じない。理屈ではなく恐怖で人を支配しようとする。そんな理不尽な悪党たちを法律と実力の両面から懲らしめていくのです。こんなの絶対スカッとするに決まってるじゃないですか。
かつてはブラック企業に押し潰されかけていた遠藤も、同じような理不尽に苦しむ依頼人たちの涙を目にし、「これは俺の戦いだ」と義憤に燃え、弱い立場の人々のために立ち上がる姿に勇気づけられるんです。社会の理不尽に立ち向かう人間の強さと、労働者の覚悟を描いた物語でした。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)