中二病の少年がモテるために奮闘する話、と書けばありふれて聞こえますが、この作品の強さはそこではなく、「同じ型を繰り返す」構造にあります。
毎回ひとつの仮説を立てて、実行して、盛大に間違える。そしてエピソードの末尾に「左手に龍はまだ来ない」が置かれる。このリフレインがあるおかげで、三つの失敗談がバラバラの小話ではなく、ひとつの成長譚——いや、成長しない譚として繋がっています。
各話のオチはぜひ読んで確かめてほしいのですが、特に1話、授業の内容と失恋が繋がる瞬間は声が出ました。伏線というほど大げさなものではないのに、前後が繋がった瞬間にちゃんと笑える。この距離感の設計がうまいです。