うーん、清々しい程のクズな毒親。
そして、全く罪のない犬の無垢なる「わん」という鳴き声。
その鳴き声や仕草に、この犬が無条件に愛されてきた、幸せな犬だというのが凝縮されているかのようです。
だからこそ、まともに愛してもらえなかった主人公との対比がはっきりと、残酷なまでに感じられます。
そして、具体的な金額を聞いてから湧き出てきてしまったどす黒い感情を、いっそこの犬にぶつけてしまおうかとも思うのだけれども、そんな非道にもなれないという倫理のブレーキの軋みが聞こえるようです。
このやり場のなさが何ともやるせない。
かなり腹の中が煮えくり返り、色々とぶちまけたい衝動に駆られてしまいましたね……。
愛情の格差をまざまざと見せつけられた時、あなたは何を思うでしょうか。
本作は、そんな理不尽にためらいなくメスを入れた、非常に鋭い作品です。
是非ともお目通しください。