凄惨な児童虐待や性的暴行、核戦争後の荒廃した日本という極限状況を描く衝撃作。五体を失った妹を運ぶ姉の視点から、生存の意味と孤独を問い直す。幻覚や妄想、あるいは映画というメタ的構造が重なり、どこまでが現実でどこからが逃避なのか曖昧なまま進行する。人間の尊厳が徹底的に破壊された先にある「解放」を、残酷かつ耽美な筆致で綴る不条理劇だ。鬱展開や過激な不条理描写、重いテーマを好む読者におすすめできる。