この文章を読みながら、何度も自分のことを考えていました。
好きなことを「続けていていいのか」と迷ったこと。
評価や将来性とは別のところで、それでも手放せなかったもののこと。
新聞のお悩み相談をきっかけに語られる「執筆に恋している」という感覚は、決して大げさではなく、静かで誠実な言葉で綴られています。
仕事にするわけでもなく、成功を目指しているわけでもない。
それでも離れては戻り、書かずにはいられない――その関係性に、深く共感しました。
とくに印象に残ったのは、自分の書いた小説を「大事だ」と言い切っているところです。
読者が多くないことも分かった上で、それでもなお、自分の言葉と物語を手放さない。
そこには、長く書き続けてきた人だけが持つ静かな強さを感じました。
「自分の好きな話を、自分の好きなように書く」
この一文に、この作者の創作への姿勢がすべて表れているように思います。
この文章自体がとても誠実だったので、
まだ読んだことのない作者の他の作品も、ぜひ読んでみたいと思いました。
きっとそこにも、同じように大切に紡がれた物語があるのだろうと感じたからです。
創作に迷ったことのある方、
そして「それでも書いてしまう」気持ちを抱えた方に、そっと勧めたい一篇です。