スノーフレークは、優しい花だ。
誰かの手を煩わせることもなく、決まった場所でひっそりと咲く。
早く咲くものも、遅れて咲くものもある。春のあいだ、誰かを待つように咲き続ける。
この物語もまた、そんな咲き方をしている。
声高に何かを訴えることはないし、奇跡のような出来事が用意されているわけでもない。ただ、時間の中で置き去りにされた想いや、言葉にならなかった感情が、絵や色や佇まいとして、静かにそこに在り続けている。
人と人との出会いは、実は時空間を超えて、世界の深いどこかで、確かにつながっているのではないだろうかと思う。