最低評価を受けた少年が、自らの正体と世界の真実を探していく物語は、「大災厄」と呼ばれる背景描写から立ち上がっていきます。
まず特徴的なのが、主人公・神越魔人の能力が最低のGランクであり、周囲からは「ゴミのG」と嘲笑されている点です。
それでも室長の雨井は「G」が最低ランクではなく、特別な意味を持つ可能性を見出し、彼への支援を行っていきます。
個人的に特に印象的だったのは、魔人がダンジョンで少女を助ける場面です。
自分の命を賭けてでも突き進む姿勢には胸に迫るものがあり、その強い責任感と覚悟を宿した主人公像に深く感動しました。
家出中の女神やペンギンの神獣など、登場するキャラクターたちが一癖も二癖もある個性派揃いなのも大きな魅力です。
襲撃や戦闘、さらには「神の謎」など、様々な仕掛けが息つく暇もなく用意されているため、飽きることなく物語の世界に浸ることができます。
とにかく本作からは、作者様のあふれんばかりのエネルギッシュなパワーを感じられます。
そんな躍動的な力がそのまま物語の推進力となっており、読んでいて自然と気分が上がっていきます。
読み応え抜群の、熱いファンタジーをぜひご堪能ください。
その日のことは忘れられない。
人類は史上最大の絶滅危機に陥った。
魔族侵攻?
十年前のボクにとって、それは怪獣災害映画のような悪夢でしかなかった。
生き延びられたのは、運が良かったから。
ただ普通に生きていければ、それでよかった。
しかし、魔物に対抗すべく人類が立ち上がるうねりに、ボクも否応なく巻き込まれてゆく。
Gランク?何それ?なぜボクだけがこんな目に?
人々の「哀れみ」の眼差しを浴びながら、再び苦難の底に沈むのだと思った。
けれど、現実は違っていた。
その日、ボクが生き延びられたのは、単なる幸運などではない。
ゴッドを象徴する“G”こそが、ボクの真の姿。
ボクはこの全てを背負い、神の塔とダンジョンが林立する世界を歩んでゆく。
魔族の世界へ、全ての災いの源の果てへと。