効率と実績を信奉する結城希が、突如現れた謎のカウントダウン「100」に翻弄される心理サスペンスだ。日々減少する数字は自分にしか見えず、医師からも幻覚と否定される孤独な恐怖が描かれる。社運を賭けたプロジェクトの期限との不気味な符合や、SNSで見つけた同様の現象者の不穏な末路が緊張感を煽る。自立を求めて離れた母が見せる異常な咳など、家族の「残り時間」を感じさせる構成が秀逸である。
不可解な現象が日常を侵食するスリルや、極限状態での心理描写を好む読者。また、親子関係の葛藤や、限られた「残り時間」というテーマに惹かれる層にも推奨する。