このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(154文字)
タイトルとあらすじが気になって読み進めると、点と点が繋がっていくような感覚が。余白として残された「点」もあり、考察が捗ります。三つのルールに一見怪異的なものを想像させられましたが、読んでみるとなるほどSFジャンル。哲学的なテーマが好きな方にもおすすめしたい一作です。また、作中の文書の内容は、主人公に向けられているようでもあり、どこか読み手に干渉してくるようでもあり……美味しくいただける“気持ち悪さ”が癖になる。良い意味で予想を裏切られるラストで、さらなる広がりも予感させられました。
白一色の密室と、謎の文章、その違和感がじわじわと読者を追い詰める。忘れることで前に進めるのか、それとも自分を失うのか、自己同一性とは何か、経験とは誰のものかを、突きつけられる哲学的な短編でした。