静かな夜の描写から始まり、写真一枚で過去が揺らぐ導入がとても美しく、読者を一気に物語へ引き込んでいました。
アイゼンハワードの“アルおじ”としての穏やかな現在と、“影の将”として生きた過去の落差が鮮烈で、彼の孤独と後悔が胸に迫ります。
ティアラ姫への想いは直接語られないのに、風や沈黙の中に深く滲んでいて、言葉以上の重みを感じました。
写真の幸福と、彼自身が選べなかった幸福の対比が切なく、静かな余韻が長く残ります。
全体として、成熟した筆致で描かれる“老いた英雄の回想譚”として非常に完成度が高く、続きを読みたくなる導入でした。