妖(あやかし)を容れた螺鈿の文箱。その魔魅をめぐって平安貴族たちが翻弄される物語。大臣も帝さえも好奇心からは逃れられぬ。都人の風評、権力者の謀……硬質で端然な筆致、ほの昏さもとても好ましい。内裏舞台にふさわしく作者様の神視点で紡がれます。箱に閉じ込められているの、真は書き手の情念なのか? などとつい。