このエッセイは、帰省したら母親がショート動画のアルゴリズムに取り込まれていた、という内容なのですが、これがうちの母と同じ状況で。
ショート動画は人々の思考を奪いますね。『あちら側』が提示して来るアルゴリズムにまんまとはまって抜け出せなくなっているのです。
この作品を読んで、「そうそう、その『ノイズ』が心地よかったのよ!」って首がもげるほど頷いていました。
家庭から無駄話を奪ったショート動画、必要なノイズを奪ったショート動画。
「お母さん、スマホばかり見てないでこちらも見てよ」
って、年甲斐もなく言いたくなります。
現代を蝕む病を感じました。凄く切ないです。いても立ってもいられずにレビューを書きました。どうか皆様もアルゴリズムにはお気をつけて……。
読んでいて実に背筋に寒気が走る気分でした。
一応、自分もデジタルコンテンツに慣れ親しんだ世代ではあるので、ある程度のリテラシーや、自制の気持ちは働きます。
ただそれでも、自宅で暇な時間にちょっとYouTubeで動画検索をして小さな時間潰しをしてしまうわけですね。
飲食関係スレのまとめ動画とか見て、今度何を食べようかなとか考えちゃったりするわけです。
しかし、そんな私の現状よりもさらに深度が深い動画への依存度を見せているのが、本エッセイのお母様です。
そんなお母様が夢中になる……いえ、意識を刈り取られてしまったものこそ、短時間で快楽を提供する「ショート動画」なわけです。
1つの動画自体は短い、というのがまた癖ものです。
だからこそ、そのわずかな時間でインスタントかつコンパクトに快感を得られる。
多少つまらなくてもどうせ短時間だから、と割り切りすぐに別のショート動画に移行できる。
そうして、ほぼ無限にある「短時間」を浴びるように飲み込むようになっていくわけです。
こんなもん、思考力を奪うに決まってるんだよなぁ……。
現代の合法ドラッグであり、時間喰い虫であるショート動画。
本エッセイがその付き合い方、適切な距離感等を見つめ直すきっかけになれば幸いです。