ほしわた氏の全作品の中で最も「ジャンル王道」に振り切った一作だ。「裏庭のダンジョン」がコメディ路線なら、こちらはシリアスな異世界ファンタジーとして正面から勝負している。
世界観の設計が本格的だ。ガチャ・UR・ゴッドレア・マナライン——ソシャゲの語彙で神学的な天上秩序を構築するという発想は独自性があり、「ゴミとして棄てられた少年がなぜ最上位レアリティなのか」という謎が99.9%の進行度と「ラグ(遅延)」というギミックで引っ張られる構造は読者を離さない。
第1話の「スープ、おいしいの? ふかふかのベッドも……僕、知らないから」という台詞が、アインというキャラクターの全てを一行で決める。幸福の概念すら持たない少年が、モルガナとルナに拾われてスープを飲んで泣く——この温度が「手塩にかけられたのは私の方だったのね」のエルカとルナと地続きになっていて、師弟と保護と成長というほしわた氏の根幹テーマがここでも生きている。
バルバラ、モルガナ、ルナ、シュルルという個性豊かな魔女たちのキャラクター造形も細かく、「ボク、もう限界です」という主人公の悲鳴が笑えるのにちゃんと応援したくなる。完結済み42話・12万7千字。
あらすじを読めばわかるとおり、壮大な世界観によって構築された物語は、まるで映画の脚本を読んでいるかのような心地になりました。
主人公に身を寄せたくなる心理描写は秀逸で、自然と主人公を応援したい気持ちになります。
スリリングなシーン、物語に深みを与える予言や救済、そして個性豊かな魔女たちの姿。
とにかく世界観が独特で、読み進めながら、よく出来た夢の中へ導かれているような感覚を受けました。
まだすべてを読み通してはいないものの、先の展開がとても楽しみになる吸引力の強さがあります。
個人的には物語に出てくる固有名詞や振り仮名の使い方がとても好きでした。
異世界ものが好きな人はもちろんのこと、日常に退屈を感じている人は、この超異世界の物語に浸って頭の疲れをリフレッシュするも良し!
不思議な読後感を与えてくれる創造性豊かな物語です。