婚約破棄→追放→死亡、という「お約束」の流れを一度踏んでから、「でもまだ生きていて暗躍している」に転じる構造がいい。昼は地味な薬局員、夜は怪盗——という二重生活の設定が、単なるコスチュームプレイではなく、「ホンモノとニセモノ」という作品全体のテーマと繋がっているのが丁寧だ。
宿敵騎士との緊張感のある駆け引きも読ませる。追う側と追われる側が互いに惹かれていく構図は古典的だが、主人公の目的が「復讐」ではなく「国家簒奪」というスケールの大きさが差別化になっている。
二重アイデンティティと仮面、権力構造への挑戦自分が書く世界のテーマと響き合うものを感じた。この手の物語が好きな方には特に刺さるはず。