ラーメン屋で食っていた父の跡を継がず、商社マンとして成功を収めていた男がラーメン屋に未練をもったまま事故死した。昭和そして平成に逆行したとき、来るべき未来を捨てて後悔のない人生を送るなら、どのような手札が残されているだろうか。
昭和や平成の時代にラーメンが幾度となくブームとなり消えていく中、令和の世にまで生き残った老練なラーメンたちを知っている。そうした三十年以上先の知識はチートだろう。
知識による快進撃もさることながら、昔ながらの人間関係の構築方法や、もう来ることのない未来との決別、といった要素がアツい。
歴史的な部分でいえば、バブル経済の崩壊の音より、意外と昔からこの店があったんだとか、このラーメン屋がこの場所で営業していたときはこんな話があったんだとかそういった部分が面白い。
たかがラーメン、されどラーメン。深みがあって中毒性の高いアブラマシマシの作品は、一度手に取ったら一気読みしてしまうこと請け合い。
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平成の時代に逆行してラーメン屋店主として成り上がる話です。
ラーメンの歴史が重厚でとても味わい深い風味となっています。
令和では色んな種類のラーメンがあるのは当たり前のことですが、当然作られていく過程があるわけで、それらを小説内で追体験できるのは新鮮でした。
立身出世ものとしてもよく、傾きかけた家業のラーメン屋を立て直していくのは爽快です。
ただうまくいくわけではなく、令和のような食材もない・機材もない、ないないずくしの妥協ばかりで進むのです。だからこそリアルさがありました。
層をめくるたび、別の表情を見せる素晴らしい作品です。ぜひご賞味ください。
人生に小さな後悔を抱えていた主人公が、過去に遡ったことで、新たな道を模索していく時代小説作品です。
主人公はエリートの道を進み続けていた男。
しかし、その脳裏には常に父のラーメン屋を継がなかった後悔が滲んでおり、どうにかできなかったのかという思いばかりが生まれています。
けれども、そんな後悔は突然の死から始まるタイムスリップによって、解消する機会に恵まれます。
第二の人生で主人公が選択したのは、迷わずラーメン屋を継ぐ道。
そして目指すのは、時代を大きく先取りする令和の味。
平成が近付く時代で作り出される最新の味は、世間にどう受け止められるのか。
ぜひ読んでみてください。