4への応援コメント
「結婚したあと、どう生きるか」を静かに描いていらっしゃって面白かったです。
氷の鉄槌として恐れられるペディラムが、家庭ではどう振る舞えばいいのか分からず右往左往する姿は、とても人間味があり、これまで積み重ねてきた孤独の深さを逆に際立たせています。
マトリカリアの叱責と実践的な助言は物語に心地よい現実感を与え、ペディラムが一歩ずつ「夫」になっていく過程を自然に表現されていらっしゃるように思えます☀︎
花束の場面や、執事夫妻と四人で行うささやかな結婚の食卓は、慎ましさと温かさに満ちています。特に宝石の置き物を「名付け親」として贈る場面は、第1話を美しく回収する印象的な一幕でした。
幸福の中に、まだ語れない過去や不安を残している点も好ましく、物語を甘く閉じず、先への余韻をきちんと残しています。派手さはないものの、関係性が確かに前進したことを実感できる、重要で味わい深いお話でした。
作者からの返信
いつも丁寧な感想をありがとうございます。
今回は「お笑い回」となっていまして…(笑)
花束の場面は、書きながらマルク・シャガールの「エッフェル塔の新郎新婦」という絵画を思い起こしていました。
実は第1話で伏線をはったつもりがなく、ペディラムならどうするだろう、大人として粋なはからいをするのではないかと考えて宝石の場面を入れました。
今後も思いがけず偶然伏線回収になることが多くありそうです(笑)
アイディアが浮かんだところから紙やWordに書いており、物語の時系列を考えながら配置しています。もう最後の場面は出来上がっているので、そこに書き進めていくのみなのですが、苦しむところもありそうです。
ちなみにペディラムは公園でキメラが絡まれている時、課長から部長に昇進しています(笑)
登場人物の名前を考えた時、他の作品では結構ドイツ語が使われており、私の好きな植物から取って学名(ラテン語)を使用しました。
ペディラムは私の好きな「パフィオペディルム」から取りました。派手さは無く、どちらかというと暗いイメージがある、マニアックな種類の洋ランです。
「ビーナスのスリッパ」という意味で、「スリッパオーキッド」とも呼ばれています。
本当は「パフィオ」にしたかったのですが、「ビーナス」になってしまうので、可笑しくなってしまい没にしました。
因みにペディは「ペディキュア」にも通ずる言葉でして、「足(足首から下)」を指します。
今気づいたのですが、これもうっかり伏線回収になってしまいそうです…
小説を書くということは、名前を付けたり、構想を練ったり、登場人物の人間性を掘り下げて見出したり、推敲したりと非常に手間のかかるもので、書きながら改めて田中芳樹先生の偉大さが分かりました。
これからも益々分かるようになりそうです(汗)
3への応援コメント
初めまして。この度は企画へのご参加ありがとうございます😊
三話まで作品拝読させて頂きました。
とても静かで、しかし芯の強い物語でした。
第1話から第3話までを通して感じたのは、「救う/救われる」という関係が、いつの間にか「向き合う/選び合う」関係へと変質していく、その過程が非常に丁寧に描かれているということです。
第1話では、ペディラムという人物の孤独がまず際立ちます。冷徹で有能、腐敗した国家の中で一人正気を保ち続ける官僚。その彼が、雨の夜に偶然救った少女キメラを保護するという導入は王道でありながら「同情」や「庇護」に安易に流れない緊張感があります。
キメラの知性と特異な思考能力が示されることで、彼女が単なる守られる存在では終わらない予感を早くから抱かせる点が印象的でした。
第2話では、その均衡が静かに崩れていきます。キメラの恋情は拙く、時に危うく、色仕掛けという誤った形を取ってしまう。
一方ペディラムもまた、誠実であるがゆえに彼女を拒み、結果として傷つけてしまう。この章は「恋愛のすれ違い」というより、「立場と年齢と覚悟の非対称性」を描いた章だと感じました。
公園での出来事や不埒者への対応を通して、彼が守る者であるだけでなく、恐れられる力を持つ者であることが再確認されるのも巧みです。
第3話は、感情的にも物語的にも大きな転換点でした。義眼を外す場面は、名シーンだと思います。
ペディラムが恐れていたのは拒絶そのものではなく、「手に入れた後に失うこと」だったという独白は、彼の人生の重さが伝わってきます。
それに対してキメラが示す反応は、同情でも理想化でもなく、理解と受容であり、ここで初めて二人は対等な地点に立ったように感じました。
結婚後のペディラムのぎこちなさや逃げ腰な態度も、とても人間らしく好ましいです。「氷の鉄槌」が、愛されることに慣れていない不器用な男へと変わっていく過程が、決して甘く描かれていないからこそ説得力があります。
この物語は単なる年の差恋愛や庇護関係のロマンスではなく「自己否定を抱えた大人が、他者の視線を通して自分を赦していく物語」なのかなと感じました。
静かな筆致の中に、確かな熱と誠実さがあり、続きを自然と読みたくなる作品でした。
続きも拝読させて頂きます。
作者からの返信
始めまして。この度はこの自主企画を立ち上げて下さってありがとうございます。
また、返信が遅れてしまい大変申し訳ありません。言い訳になってしまいますが、何しろ在宅勤務の主人とPCを取りあっておりまして…ご容赦いただければありがたいです。
PCが塞がっている時は、出来たところから裏紙に書いています(笑)
既に構想と最後の場面は出来上がっていますので、楽しんでいただけるとありがたいです。
応援メッセージと、非常に分析力のある感想をありがとうございます。
あまり自分では考えていなくて、顔が赤くなるくらい照れています。
私が大事にしたかったところを的確に名シーンだと言ってくださってありがとうございます。励みになります。
この小説を読んでくださってありがとうございます。今後とも読んでいただければ幸いです。
5 への応援コメント
とても重く、そしてとても誠実な一話でした。
嫉妬という感情を、単なる恋愛イベントや刺激として消費せず、「愛しているからこそ壊してしまう危うさ」として真正面から描いた点に、強い覚悟を感じます。
リベスとの応酬で見せたキメラの矜持と知性、そしてそれを目の当たりにして制御を失うペディラム。その後の取り返しのつかなさと自己嫌悪は痛いほど伝わってきて、読んでいて決して楽ではありませんが、だからこそ真実味があります。氷の鉄槌が最も恐れていたのは外敵ではなく、「愛する者を自分の手で傷つけてしまう自分自身」だったのだと、この話で明確になりました。
それでも物語が救いに向かうのは、キメラが“許す”のではなく、“向き合い、説明し、やり直す”道を選んだからだと思います。「夫婦はいつでもやり直せる」という言葉は、この作品全体の核になる名台詞でした。これは優しさではなく、強さの言葉です。
今回は関係が一度壊れかけたからこそ、本当の意味で夫婦になった二人出した。読後には胸の痛みと同時に、確かな安堵と信頼が残ります。ここまで踏み込んで描いたからこそ、この先の二人の歩みを見届けたいと強く思いました。続きを楽しみにしています。
作者からの返信
いつも深く読んでいただき、応援メッセージをありがとうございます。
ここぞと力を入れたところで反応いただけるのは小説を書いていてとても励みになります。
古典的表現とのことで、なかなか読んでくださる方はいないのではと思いましたが、こうして要約と感想を述べていただけるのはとても嬉しいです。
また、自分で書いている事がこう捉えられるのかという事を知り、いつも新たな発見があります。
この小説は、これまで読んだ本に影響されているのかもしれません。
巨匠たちとは比較になりませんが、カズオ・イシグロ氏の、静謐で、最後に微かな希望が持てる展開。もちろん田中芳樹先生の小説。直前に谷崎潤一郎の「痴人の愛」を読んでしまったので、これは特に…(笑)。
続きはただいま推敲中です。その中での二人の様子を楽しんでいただければ幸いです。