婚約破棄という定番の導入を、ここまで知的な反撃に昇華している点にまず引き込まれました。
感情ではなく「計算」で状況を覆していく主人公の姿勢が、物語の軸として一貫しています。
帳簿や数字が単なる小道具ではなく、意思そのものとして機能しているのが印象的です。
王弟との関係も、支配と相互利用がせめぎ合う緊張感に満ちています。
復讐が私情ではなく「制度の修正」として描かれている点に、構造的な面白さを感じました。
一つ一つの決断に必然性があり、展開に無駄がないのも読みやすさに繋がっています。
特に、相手を追い詰める手段が論理で組み立てられている点が心地よいです。
この先、彼女がどこまで「数字で支配する側」に踏み込むのか、視線を外せません。
公爵家の薔薇と称される令嬢、クラリスは婚約破棄をされます。
クラリスが帳尻を合わせてくれていたことも知らず、元婚約者は離縁をつきつけます。
「真実の愛をみつけた」と。
クラリスの真価も判らぬまま、可愛げがないと切り捨てた婚約者に復讐するべく彼女が向かったのは王弟アルヴィスの元でした。彼の元で公爵令嬢の身分を捨て事務官として働くことになるのですが……。
イチ押しは、アルヴィスです。
冷徹で有能、論理を重んじる彼の性質はクラリスとよく似ています。
なので、彼女に一目惚れして溺愛するなんていうことはありません。
でも、その少しずつ互いを信頼していく様が心地よいのです。
不正を許さず、筋を通すことを第一義とするような二人が恋に落ちたらどうなるのか……。恋までも計算してしまうのか?!
今後の展開が楽しみな作品です♪