今まで誰も手を出さなかった「憑依型」という執筆プロセスに、初めて理論化に挑んだエッセイです。
小説の創作において、ここまで自分の創作を客観視して、分析して、分かりやすく言語化できる作家はプロでもほとんど居ないと思います。
ありがちな、うんちくばかりの知識自慢や横文字や数字で誤魔化している様な頭でっかちな創作論とは全くの別物で、憑依型以外の作家でも参考にできるような実用的なテクニックの数々を、作者本人が実演しながら解りやすく紹介しています。
憑依型の作家さんへ向けての内容ですが、テンプレに頼らないと書けないような作家さんや、テンプレ作品ばかりを売る業界関係者にも読んで欲しい。(特に第三章)
なにより特筆するべきは、理論や創作論を語っているのに固くなく、読み物として面白い。
憑依型の自己創作論を語る為に、自分というキャラに憑依して観察と分析と理論化する発想は、誰にも真似ができない独創的なエッセイです。
これを読んで改めて、テンプレ至上主義の崩壊と淘汰を願わずにはいられません。