ホラー作品で見かける、かっこいい……というか、どこか幻想的な名前のついた怪異。
そして神聖なものの絡んだ恐怖。
そうしたものは、ゾクリとしたり、思わず部屋の中を見回したりするような恐怖を味わわせてくれますが、どこかで「作り物だ」と理解しています。
その名前も設定も、「恐怖」という「楽しみ」を味わうためのものだと、理解しています。
それはどこかで安心につながって、我々がホラー作品を楽しむ理由になったりもするんじゃないかと思います。
ああした怪異は「刺激的な非日常」を味わわせてくれるもの。
そうした安心感が。
──前置きが長くなってしまいましたが、こちらの作品はエッセイであって、語られるのは実際にあったお話です。
その中に、まさに先に書きました「幻想的な名前のついた存在」「神聖なものの絡んだ恐怖」といったものが出てくるのです。
私はふと思いました。
我々が触れてきたホラー作品。
あれらは本当に「作り物」だろうか?
あるいはどこかで、あのようなことがあったのではないか──。
日常と非日常、安全と危険、現実と虚構、そうした境が曖昧になるようなホラーエッセイ。
ホラーがお好きでしたら、ひとつ、読んでみてくださいな。