第12話 開かれる扉

あくまで介護を全くしないらしい。

仮にもあの叔父はセイラ達の父親の弟らしいのだが...邪魔扱いらしい。

それだけではなく子供にも冷たく自らの妻にもかなり冷たい。

仕事熱心で...休みの時は何も手伝わず休む、か。

俺はその言葉を聞きながらお茶を飲む。

するとセイラがコップを置きながら「ごめんね」と言った。

俺は「?」を浮かべてからセイラに向く。

若菜も見ていた。


「私達のせいでね...」

「まあ気にするな。こういうのは仕方がないだろうしな」

「仕方が無いにせよ。私としてはさ。...なんかさ...何とも言えないけど本当に自らにも腹立たしいんだよ」

「私も腹立つ」

「...叔父はまだ病院には行っているのか?」

「うん。でも今の状態は医者も全力だけどお手上げらしいから」

「...そうなんだな」

「仕方がないよ。ああいう感じでねじ曲がったらさ」


それからセイラはテーブルに置いたコップを見つめながら自嘲する。

俺はその姿に「一先ずさ。行政に全て相談したらどうなんだ。詳しくは知らないが...」と言う。

すると若菜が「うん。だね。おにーちゃん」と言ってから笑みを浮かべる。


「俺的にはそれがベストだとは思うんだが」

「...一応、相談はしているんだ。...福祉課とか福祉の...施設全てにね。だけどまだ話が曖昧だね」

「ああそうなんだな」

「うん。...私は...早めに決まってほしいとは思うけどね」

「そうか...」

「おにーちゃんには感謝してる」


若菜はそう言いながら俺に対して柔和になる。

俺はセイラを見る。

セイラは笑みを浮かべながら「本当に感謝してる」と言った。

俺はそんな2人を見てから時計を見る。

時間がかなり過ぎている。

17時か。


「んじゃまあ帰るわ」

「ありがとうね。今日は」

「買い物に行ったお前らの母親の節子(せつこ)さんに宜しく」

「うん。言っておくよ」

「んじゃまあ」


それから俺は立ち上がる。

そして俺は伸びをして玄関まで向かう為。

ドアを開けた時だった。

車椅子のあの人が座って居た。


「ああ。帰るのか」

「本日はありがとうございました。...またお会いしましょうね」

「君は不思議な人だね。じゃあまた」


そして俺は玄関で靴を履く。

そうしてから俺は鞄を持ってから3人を見る。

3人...というか男性は笑みを浮かべていた。

俺に小さく手を振る。

その事に振り返してから玄関を開けた。

お見送りを受けながらそのまま家を後にした。



翌日。

俺は自室でベッドからゆっくり起き上が...?

何だこの腹の重さは。

そう考えながら俺は目を開ける。

そして目の前を見ると。

そこに芽吹が跨って居た。

俺は唖然としながら「何してんだ!?」となる。

すると芽吹はニヤニヤしながら俺を静かに見下ろしてくる。

俺はその事に愕然としながら「な、何だ」と言ってから芽吹を見つめる。


「おはよう。本当にエッチだね。君」

「は?は?!」

「デカくなってる」

「お前な...」

「全く。親友に欲情するとは」

「お前が跨っているせいだろ。ふざけるな」

「あ。そうやって人のせいにするんだ?」

「お前な。マジにやめーや」


それからゆっくり芽吹を俺から下ろす。

そして俺は盛大に溜息を吐いた。

そうして俺は頭を掻いた。

すると芽吹は「モーニングサービスになったかな?」と聞いてくる。

俺は「あのな...」と苦笑い。


「なったよ。モーニングサービスにな」

「私の可愛さで補給してね」

「お前な...」

「私は貴方の将来のお嫁さんです」

「あのな!?」


俺は首を振る。

それから「ったく。とりあえず部屋から出てくれるか。着替えれないから」と俺は言う。

すると芽吹は「うん。分かった」と素直に頷いて言ってから歩いて部屋を出て行く。

その際に俺の部屋のドアから一歩出てから振り返り俺に投げキッスをした。

ったく。


「直ぐ来てね」

「分かったからさ。早くどっか行ってくれ」

「あはは。遅刻するしね。急がないとねー」

「全く...」


俺は盛大に溜息を吐きながら着替え。

そのままゆっくり下に降りる。

だが両親が居ない。

あ?なら一体どうやって芽吹は入って来た?

両親が居ないなら鍵がかかっている筈だ。


「芽吹」

「?...何?」


芽吹は何かを調理している。

俺はその姿を見ながら「お前どうやってこの場に?」と聞いた。

すると芽吹は「あ。どうやって家に入ったのかって事?...えっとね。叔母様が鍵をくれたよ」とあっけらかんに答えた。

は?!


「ちょ、ちょっと待て!勝手にそんなやりとりしたのか?冗談じゃないぞ!お前は通い妻か!?」

「えへへ。通い妻だよ?」

「あのな...」

「私は貴方が好き。それだけで理由は充分だよね?色々と」

「な訳あるか。...同じ屋根の下で男女だけって」

「私は構わないよ」


すると芽吹は火を消した。

それからゆっくり俺に歩んで来る。

そして俺を見上げた。

俺はビクッとしながら慌てて芽吹を見る。

芽吹は俺に微笑んでから柔和な顔をしながら抱きついて来る。

こ、コイツ!?


「愛してる」

「わ、分かったから」

「そう?えへへ」


それから芽吹はゆっくり俺から離れる。

そして俺に笑顔を見せた。

俺は後頭部を掻きながら「ったく」と赤くなりながら言う。

コイツマジにふざけんなよ。

可愛いんだよ!


「そういやさ」

「?」

「昨日、どうだったの?セイラさんの家」

「ああ...セイラな。...一応は叔父も俺の言葉に納得した感じだった」

「え?そうなの?凄いね。君」

「...いや。彼女達の家に行っただけだよ。それから成り行きでな」

「いやいや。凄いじゃん。あくまで叔父さんは君の言葉に落ち着いたんだよね?それは誇りなよ」

「まあそうだな。芽吹。ありがとうな」


芽吹は食事を準備しながら「いやいや」と言う。

俺はそんな芽吹を見ながら苦笑した。

そして芽吹を手伝う。

それから俺達は手を合わせて食事をしてから家に鍵をかけて学校に向かった。

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